8/4 栄養の日 8/1→8/7栄養週間

もっともっと知りたい 口だけに口外したくなる、お口の雑学

梅干しを見ただけで
唾液が出るのはなぜ?

酸っぱいものを食べると唾液がドバッと出てくるのは、酸によって歯の表面が溶け出すのを防ぐため。酸っぱい食べ物を見ただけでも唾液が出てくるのは、過去の記憶による条件反射です。つまり食べたことがない人は、梅干しを見ても唾液は出てこないのです。

唾液にはネバネバとサラサラの
2タイプが

唾液の原料は血液です。舌の裏から分泌される、舌下腺・顎下腺が作り出す唾液は、食べ物と混ぜて食塊を作るためのネバネバタイプ。上の奥歯付近の頬に出口のある耳下腺からは、頬の粘膜と歯や歯茎の滑りをよくするために、サラサラの唾液が分泌されています。

ドライマウス解消唾液腺マッサージ

食事の前や入浴中に行うと、唾液腺の働きがよくなります。

耳下腺

上の奥歯のあたりの頬を軽く押しながら、円を描くように回す。(10回程度)

顎下線

耳の下からあごの先へ向かって指を移動させながら、あごの内側を10〜20回押す。

舌下腺

両手の親指を揃え、舌を押し上げるようにあごの下を10回押す。

歯ごたえを感じるのは歯ではない
という事実!

硬い、柔らかいなどの歯ごたえを感じているのは実は歯ではなく、咀しゃく筋と歯根膜の感覚です。
歯根膜は、歯をあごの骨(歯槽骨)に固定しているコラーゲンの束。噛んだときに加わる強い力で、歯と歯槽骨がいたまないよう、クッションの役割を果たしています。

口の天井・口蓋も、ただ者ではない

口蓋の前方3分の2は硬い骨でできた硬口蓋、後方3分の1は、柔らかい筋肉でできた軟口蓋です。鼻と口は喉の奥でつながっていますが、食べ物が口に入ると舌の付け根と軟口蓋がくっついて口腔にふたをするため、食べ物や飲み物が鼻に入ることはないのです。

切歯、犬歯、臼歯、
歯の形には意味がある

肉を切り裂いたり、引きちぎって飲み込む肉食動物は犬歯が鋭く発達し、草を噛み切って咀しゃくする草食動物は切歯(前歯)と臼歯が大きく発達しています。
人間は肉も植物も食べる雑食動物なので、切歯、犬歯、臼歯が平均的に発達しているのです。

唇が赤いのは猿のお尻と同じ理由

人間の唇が赤いのは、なんと猿のお尻が赤いのと同じ理由。強さと性的魅力をアピールするために進化してきたと言われています。赤く見えるのは、他の皮膚よりずっと薄い角質層を通して透けて見える毛細血管の色。保水効果のある角質層が薄いから、唇は乾燥しやすいのです(※1)。

赤ちゃんはお乳を
唇で吸ってはいない

生後間もない赤ちゃんは、おっぱいに限らず、唇に触れたものに吸いつこうとします。これは生きるために必要な「吸啜反射」という原始反射。口を大きく開けておっぱいに吸い付くと、舌が大きく上下運動をはじめ、お乳が絞り出されて、流れてくるのです(※2)。

口輪筋を鍛え、
口角を上げていこう

水をこぼさずに飲めるのは、唇や口輪筋、頬の筋肉が、食べるだけでなく表情筋としても発達してきたから。口輪筋が弱まると口を閉じにくくなり、口の中が乾燥して細菌が増えたり、舌が喉に落ち込むことでいびきや睡眠時無呼吸の原因にもなってしまいます。

500mlのペットボトルに水を100〜150ml入れてふたを閉め、下を向いて唇だけでしっかりとはさむ。そのまま10秒キープ。

「口」という漢字
「啜る」という漢字

「口」という字はもちろん、開いた口の形の絵から作られた象形文字。「啜る」は、「口」という意味と「つなぎ合わせる」という意味の「叕(テツ)」を組み合わせたものです。口と食べ物がまるでつなぎ合わさっているようなようすを表しているのです。

チョコレートとガム、
一緒に食べるとどうなる?

現在ガムのベースの主流である酢酸ビニル樹脂という物質は、唾液に溶けることはありません。しかしチョコレートに含まれるココアバター(油脂)は、酢酸ビニル樹脂を溶かしてしまうため、ガムはいつの間にか口の中から消えてしまうのです(※3)

お汁粉に塩を足すとなぜ甘く
感じるの?

お汁粉と塩のように、異なる味が混ざることで、その一方の味を強く感じることを「味の対比効果」、反対に弱く感じることを「抑制効果」と言います。また、同じ系統の味をもつものを混ぜたときに、より味が強調されるのを「相乗効果」と言います。

オーラルフレイル
老化は口からはじまる

オーラル(口腔)フレイル(虚弱)とは、口腔の状態の機能の衰えが、心身の機能の低下につながることを表す言葉です。よく食べ物をこぼすようになったとか、むせることが増えたとか、小さな口のトラブルに気づいたら、見逃さずに歯科医などに相談しましょう。

出典:「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント(2024.4)」
一般社団法人日本老年医学会, 一般社団法人日本老年歯科医学会,
一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会

※1 NHK「あしたが変わるトリセツショー 「唇」のトリセツ」
※2 立岡弓子編著「新訂版 周産期ケアマニュアル 第3版」サイオ出版(2020年)
※3 子供の科学のWEBサイト「コカネット」誠文堂新光社

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栄養の日 8/4 栄養の日 8/1→8/7栄養週間

たのしく食べて、未来のワタシの笑顔をつくる
そのきっかけの日です

食べる、必要な栄養素を体内にとりこみカラダをつくる、
その代謝を通じて生命を維持する一連の営みを「栄養」といいます。

例えば、大切な誰かと一緒にかこむ食卓には思いやりがあること。
例えば、バランスのとれた食事にココロが満たされること。
「栄養」というと難しそうに聞こえるけれど、大丈夫。
実は、その「たのしい!」の笑顔が、すこやかなカラダをつくるのです。

日本栄養士会は8月4日を「栄養の日」、8月1日から7日を「栄養週間」として、
全国の管理栄養士・栄養士とともに、
日本中のみなさんの「栄養を楽しむ」生活を応援します。

さあ、「栄養の日・栄養週間 2024」、はじまります!