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ビタミンA

2017年03月26日[2017年04月06日更新]

狭義にはレチノールを示し、広義ではレチノールと同じ活性を有する物質を示す。自然界にはレチノール(ビタミンA1)と3-デヒドロレチノール(ビタミンA2)ならびにこれらの同族体が存在する。脂溶性ビタミンの一つ。構造上はレチノイドに属し、不安定で、酸素、光、熱等によって異性化・分解されやすい。ビタミンAに由来するアルデヒドであるレチナールは網膜の光受容体であるロドプシンの構成要素である。同じくビタミンAに由来する全-trans-レチノイン酸は、核内受容体であるレチノイン酸受容体(RAR)に結合し、遺伝子の転写速度を調節して細胞の分化・増殖と組織の形態形成を正常に進行させる機能をもち、上皮組織を健全に保つために重要である。また、9-cis-レチノイン酸は核内受容体であるレチノイドX受容体(RXR)と結合し、さまざまな遺伝子の転写を調節している。動物性食品に含まれるレチノールの脂肪酸エステル(レチノールエステル)は小腸で加水分解酵素によりレチノールとなって他の脂質とともに吸収・輸送され、肝臓に達して再び脂肪酸エステルとして貯蔵される。ビタミンAの吸収は食事中に含まれる油脂によって促進される。ヒトでは体内のビタミンAの90%が肝臓に存在する。肝臓に貯蔵されたレチノールエステルは必要に応じてレチノールとなりレチノール結合タンパク質-4とトランスサイレチン(プレアルブミン)に結合して血中に放出され、末梢に供給される。色の濃い野菜や果実に豊富に含まれているβ-カロテンなどのカロテノイドは体内で開裂酵素により酸化的な開裂を受けビタミンAに変換されるのでプロビタミンAとよばれる。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では食品中のビタミンA含量を示すためにレチノール活性当量が用いられる。

出典:栄養・食糧学用語辞典 第2版 - 日本栄養・食糧学会 編 | 建帛社

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