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栄養の知識

過度な気にしすぎに注意。思春期の体型をチェックする3つの方法

過度な気にしすぎに注意。思春期の体型をチェックする3つの方法

三好 美紀

監修
三好 美紀
専門は国際栄養学、公衆栄養学。食育研究にも関わってきました。
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    ニュータス編集部

2017年04月18日[2018年04月11日更新]

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思春期の子どもは、自分の体型に敏感になってしまいがちですが、親としてはあまり考えすぎにならないようにしてあげたいもの。ちょうど大人と子どもの狭間にあるこの世代の体型チェックは、大きく3通りの方法に分かれています。その違いを見ていきましょう。

14歳と15歳では、体型チェックの指標が違う

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大人の場合、肥満や痩せすぎについてBMI(体重(kg) / 身長(m)2)という体格指数でチェックすることが一般的ですが、14歳以下の子どもの場合は、まだまだ成長段階なので使うことができません

6~14歳までの子どもの体型のチェックでは、文部科学省が採用する「身長別標準体重」と厚生労働省が採用する「日比式」が使われます。ただ、2つも方法があるとわかりにくいので、統一する流れもあるようです。

【6~14歳まで】
小中学校でよく使われる「身長別標準体重」

文部科学省採用の身長別標準体重は、小中学校でよく使われているチェック方法です。男女、年齢別に係数が設定されており、身長や体重と組み合わせるだけなので、とても簡単です。

身長別標準体重を求める係数と計算式

男子

年齢 a b
6 0.461 32.382
7 0.513 38.878
8 0.592 48.804
9 0.687 61.390
10 0.752 70.461
11 0.782 75.106
12 0.783 75.642
13 0.815 81.348
14 0.832 83.695
15 0.766 70.989

女子

年齢 a b
6 0.458 32.079
7 0.508 38.367
8 0.561 45.006
9 0.652 56.992
10 0.730 68.091
11 0.803 78.846
12 0.796 76.934
13 0.655 54.234
14 0.594 43.264
15 0.560 37.002

身長別標準体重および肥満度の算出方法
係数a×身長cm−係数b=身長別標準体重kg
(体重kg−身長別標準体重kg)÷身長別標準体重kg×100=肥満度%

この方法では、まず「身長別標準体重(kg)」の数値を算出して、さらにその数値を使って肥満度を算出します。肥満度は、20%以上で肥満傾向、-20%以下でやせ傾向です。

たとえば、身長155cm、55kg、13歳の女の子の場合は、以下の計算になります。

0.655×155−54.234=47kg(四捨五入)
(55−47)÷47×100=17.0%

肥満度は17%なので、標準の範囲内です。

【6~14歳まで】
病院や保健所でよく使われる「日比式」

厚生労働省が採用しているのが「日比式」。保健所や病院などでよく使われるチェック方法で、「身長別標準体重」と比べると計算が少しややこしくなります。身長別標準体重の肥満度が、「やせすぎ」「普通」「肥満」の3段階に分けられるのに対し、日比式は男女ごとに8つの係数を使って、「やせすぎ」「やせぎみ」「普通」「太りぎみ」「肥満」と5段階に分けられるのが特徴です。

日比式による肥満度判定方法

判定 肥満度(%)
やせすぎ -20%未満
やせぎみ -20%以上 -10%未満
普通 -10%以上 10%未満
太りぎみ 10以上 20%未満
肥満 20%以上

肥満度(%)
 =(実測体重(kg) -標準体重(kg))÷標準体重(kg)×100
標準体重(kg)
 =係数1×身長(cm)3+係数2×身長(cm)2+係数3×身長(cm)+係数4

男子 女子
係数1 0.0000641424 0.0000312278
係数2 -0.0182083 -0.00517476
係数3 2.01339 0.34215
係数4 -67.9488 1.66406

ちなみに先ほどと同じ、身長155cm、体重55kg、13歳の女の子の場合で計算してみましょう。

0.0000312278×(155cm)3+(−0.00517476)×(155cm)2+0.34215×155cm+1.66406
=約46.6kg
(55−46.6)÷46.6×100=18.0%

なんとこちらでは、18.0%で太りぎみという結果になりました。同じ条件でも、身長別標準体重と日比式では違う結果になることがわかります。少しまぎらわしいので、こういう矛盾をなくすために判定の統一が求められていますが、現状では難しいようです。

【15歳から】大人と同じようにBMI判定を

ここまで6~14歳までの肥満度の測り方をご紹介しましたが、15歳以上は大人と同じBMIで判定します。BMIの計測方法は以下の通り。よりシンプルですね。

BMI(数値の範囲) (肥満度)判定
< 18.5 低体重
18.5 ≤ BMI < 25.0 普通体重
25.0 ≤ BMI < 30.0 肥満(1度)
30.0 ≤ BMI < 35.0 肥満(2度)
35.0 ≤ BMI < 40.0 肥満(3度)
40.0 ≤ BMI 肥満(4度)

BMI=体重kg÷(身長m×身長m)

先ほどと同じ、体重155cm、55kgの人の場合は、

55÷(1.55×1.55)=22.9

で、標準ということになります。

ちなみに、標準体重のなかで健康的とされるBMIの値は、男性で22、女性で21になります。モデル体型の女性で19が目安といわれていますが、19を下回るとやせすぎになってしまうので、子どもの過度なダイエットには注意したいですね。

成長曲線なら乳幼児から18歳まで使える

ほかにも、面倒な計算式抜きで簡単に標準体重を知りたいときは、身長と体重を成長曲線にあてはめて比較してみるという方法があります。視覚的でわかりやすいのがいいですね。また思春期だけでなく、乳幼児から18歳までの変化を可視化できるのもうれしいところです。

base15_01.jpg

成長曲線 出典:厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/02/dl/s0219-3b.pdf

まとめ

思春期になると、メディアに登場するタレントやモデルさんにも興味が出てくるので、自分では太りすぎと思い込んでいても、じつは普通だったということは少なくありません。もし子どもが気にしているようでしたら、一緒に体型をチェックするなどして、過度なダイエットをしないように注意したいですね。

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