「太っている?」「やせている?」。小学校に通う学童期の子どもは、友人と比べたり、メディアからの情報が目に入ってきたりなど、幼児期のころはあまり考えなかった自分の体型について気にしはじめます。そんなとき、過剰に心配しすぎないように、適切なアドバイスをしてあげたり、体調や健康に問題ないか日々チェックしたりするのは親のつとめ。表などを使った、客観的な子どもの成長、健康状態のチェック方法について見ていきましょう。 気になったときは、子どもの成長状態をチェックしよう「うちの子、いつになっても背が低いまま......」「あれ、急に痩せてきたみたい?」。子どもの成長スピードや体型の変化は人それぞれですが、それでも成長の具合が気になるときは、成長曲線を使ってのチェックがおすすめです。 3か月おきくらいを目安に身長や体重の数値をメモっておき、それを曲線グラフに記入することで、毎日の変化ではわかりにくい、一般的な子どもの成長曲線と比較した発育状態を知ることができます。 線は曲線を描いているのが通常ですが、大きく上向きや低下しているときは生活を見直してみましょう。 子どもの「肥満」の測り方子どもの肥満が気になるとき、尺度を測る方法としては2つあります。日本学校保健会による肥満度の算出とローレル指数です。 日本学校保健会による肥満度の算出日本学校保健会による肥満度は、年齢ごとに設定された「身長別の標準体重」と、実測の体重を比較してパーセンテージを算出するという肥満チェックの方法です。20%以上は肥満の傾向があるので注意したいですね。年齢別に詳しく計算できるのがこの方式のポイントです。 ローレル指数による肥満チェックローレル指数=(体重(kg) / 身長(cm)3)×107 ※この判定は目安です
ローレル指数は、大人の肥満度をチェックするのによく使われるBMI(体重と身長から算出した肥満度の指数)と同じように、身長と体重を計算式に当てはめて、算出された指数によって肥満かどうかを判断するというもの。子どものからだは小さく、頭部の割合が大人より多いため、BMIでは正確な肥満度を知ることができないのです。日本学校保健会の肥満度算出のように「年齢ごとの詳しい数値」は出せませんが、簡単に肥満かどうかを知りたいときに便利ですね。 小児生活習慣病予防健診とは?いま、子どもたちの5人に1人が「生活習慣病予備群」と言われています。食生活の変化や運動不足など、ライフスタイルのさまざまな変化によって、「肥満」「高コレステロール」の子どもが年々増えています。また、小児期の生活習慣は、将来の健康へも大きく影響します。正しい生活習慣を身につけるためには、まず現在の状況を調べることが重要です。 このような状況のもと、2003年に東京都内で「小児生活習慣病予防健診」が開始され、他の自治体においても学校保健の取り組みとして実施されています。本健診の対象者は、原則として小学校4年生、中学校1年生、高校1年生であり、問診のほか、身体計測、血圧検査、血液検査が実施されます。 「嚙む力」が肥満リスクを抑える?子どもの肥満を予防するには、食事に気をつけることも大切ですが、よく噛むように食べることも大事です。よく噛むことで、満腹中枢を刺激する脳内神経物質ヒスタミンの量が増え、満足感を得やすくなることから、無駄に食べすぎる習慣がなくなり、肥満のリスクを抑えると考えられています。さらに、顎が鍛えられることで元気に言葉を話すことにもつながります。 また、必須アミノ酸であるヒスチジンが豊富な食材(かつお、まぐろなど)を摂取することで、ヒスタミンが増加することも報告されています。 ものをしっかり噛んで食べるということと合わせて、虫歯にならないための習慣や食べ物への興味も引きだしてみてくださいね。 まとめ子どもの成長は早く、急に体重が増えたり、身長が伸びたりするので、わが子はしっかり育っているのか、健康状態は大丈夫なのか、不安に思うお母さんたちも少なくないと思います。世の中にはさまざまな肥満や健康状態を測る指標があるので、ぜひ活用してくださいね。 |