生まれたばかりの赤ちゃんにとって、最初の主食となる母乳やミルク。特に母乳には免疫物質が含まれるなど、その大切さについて注目が集まっています。ここではプロの管理栄養士の視点から見た母乳やミルクの栄養価、また母乳トラブルと食事の関係について確認してみましょう。 ママの初乳は、魔法のミルク!初乳というのは、赤ちゃんが生まれてから4~5日ごろまでの母乳のこと。普通の母乳と違って免疫グロブリン(抗体)というたんぱく質が多く含まれており、特にIgAという抗体が全体の8割を占めています。IgA抗体は赤ちゃんの消化管を細菌やウイルス感染から守る役割をもっており、生まれたばかりの赤ちゃんの健康にとって大切なものなのです。これぞ生き物の神秘。まさに「魔法のミルク」ですね! ママにもうれしい! 授乳は無理なくできるダイエット赤ちゃんにとって大切な授乳ですが、じつはママのダイエットや美容にとってもうれしいことなんです。理由は授乳をすることで、妊娠で増えてしまった体重を無理なく落とすことができるから。 ママが赤ちゃんに授乳するのは1日で8~12回。量にすると500ml~1000mlくらいになります。母乳100mlあたりのエネルギーは65kcalですから、授乳だけで1日325~650kcalも消費していることになるのです。結構な量の母乳が分泌され、エネルギーが消費されているのですね! 逆に出産後は授乳だけでエネルギーを消費しているので、無理にダイエットをするのはやめましょう。この時期は十分に食事をとることのほうが大切です。 授乳中の食事は、妊娠前に比べて1日あたり+350kcalが目安母乳は、ママの血液からつくられます。ママの食事内容は、そのままママの血液成分に影響をします。ですから、食事の内容は「主食」「主菜」「副菜」をそろえてバランスよくとり、特に食物繊維が豊富な野菜、海藻、豆類を積極的に取り入れましょう。また、食事の内容だけでなく、量もしっかり確保してエネルギーをとることも大切です。目安は妊娠前と比べて1日あたり+350kcal。赤ちゃんの健康のためと思って、授乳期の食事も工夫してみましょう。 いつかはママも「乳離れ」泣いておっぱいを欲しがったり、安心して母乳を飲むわが子を見るとつい、乳離れを遅らせてしまいたくなるもの。でも、いつかはママも赤ちゃんも「乳離れ」をしなければなりません。 授乳をすることだけがスキンシップではないということを忘れないで。抱っこしたり、声をかけてあげたりしていれば、赤ちゃんも徐々に安心していきます。乳離れをすることでママも寂しさを感じることがあるかもしれませんが、あっという間にいい思い出になりますよ。 まとめ生まれたばかりの赤ちゃんとママの大切なスキンシップは、母乳を飲ませてあげることからはじまります。そして、その効果を活用するためにも、まずはママが母乳についてきちんと知ることが大切です。もし母乳トラブルが起こった場合は食事に注意。赤ちゃんとのつながりを考えて、しっかりとママの栄養バランスを見ていきましょう。 |