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栄養の知識

食べることは生きること、適切な介護食や介助のために知っておいてほしいこと

食べることは生きること、適切な介護食や介助のために知っておいてほしいこと

 名和田 淸子

監修
名和田 淸子
ためになる栄養ケア、おいしい治療食を探求する管理栄養士
  • テキスト
    ニュータス編集部

2018年10月16日[2018年11月14日更新]

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介護が必要になってからも、口から食べる楽しみは失いたくないものです。しかし体力の低下や認知症の症状によって食べる機能に障害が起きると、低栄養状態や誤嚥・窒息事故、誤嚥性肺炎などの大きなリスクに繋がります。

今回は、安全に口から食べるために介護する人や家族に見逃してほしくない、食事中の小さな"サイン"をご紹介します。

こんなサインは ... 低栄養に注意!

低栄養とは食事の摂取不足による栄養失調状態のこと。介護状態を重くしたり、認知症を進行させたりする原因になります。

高齢者の場合、たった一、二度食事が抜けてしまうだけで食べる機能が落ち、低栄養に陥ることもあります。食べられなくなるきっかけとなるサインには、次のようなものがあります。


1.食事中にうとうと、とする

意識がはっきりしていないか、疲れているのかもしれません。

  • 介助のヒント

食事前に声をかけて眠そうでないかを確認して。食事時間は長くても30分くらいまでにし、代わりに回数を増やしましょう。



2.食事が始められない、口が開かない

認知症の症状などで、食べ物を認識できていない可能性があります。

  • 介助のヒント

お箸を持たせて、食べ始めのきっかけを作ってみて。食事の一口目にはしっかり味の付いたものや冷たいものを試しましょう。おにぎり、サンドウィッチなどの手に持って食べるものも認識しやすく、食べ始めがスムーズになることがあります。



3.食事に集中できない

認知症の症状などで、注意散漫になってしまうことがあります。

  • 介助のヒント

食事の際はテレビを近くに置かないなど、集中できる環境づくりをしましょう。せかさない、やたらと声をかけないなど、介助する側の心の余裕も大切です。




こんなサインは ... 誤嚥・窒息に注意!

飲み込みに関して要注意のサインです。



1.次々に食べ物を口に運ぶ

認知症の症状で、一つひとつの手順を踏むことが困難になっているケース。口に詰め込むと、飲み込む量が多くなり誤嚥・窒息に繋がります。

  • 介助のヒント

一口ごとによく噛んでゆっくり食べるよう声掛けを。スプーンを小さなものに変えたり、料理を複数の皿に小分けにし、器を持ち替えるタイミングを作るのもよい方法です。



2.口や顎がほとんど動かず、丸飲み状態

食物が認知できていない、あるいは筋力が低下して噛めないのかもしれません。

  • 介助のヒント

食事は噛まなくてもよいくらい軟らかく、窒息しない形状がよいでしょう。例えば豆腐の餡かけや硬めのプリンなど、歯触りがあって崩れやすいもの。すき焼き味やかば焼き味などのしっかりした味つけ、アイスクリームなどの冷たい食品も認知機能の刺激になります。食事とは別に噛む機能を回復するリハビリもお勧めです。



3.食事中に姿勢が傾く、のけぞる

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体幹が弱ったり麻痺があったりすると姿勢を保つのが難しくなり、誤嚥しやすくなります。椅子が合っていないことが原因の場合もあります。

  • 介助のヒント

食べるときの基本姿勢は「椅子に座って顎を引き、やや前かがみの姿勢」です。かかとは床についた状態に。椅子やクッションの利用もGood。



4.水分でむせる。あるいは食事中や食後に声にゼロゼロとした音が混じる、痰が増える

飲み込みの機能が落ちているサイン。のどの奥に食事や痰が残るためゼロゼロという音がし、誤嚥の危険があります。

  • 介助のヒント

食事の基本姿勢が取れているかチェック。水分は、飲み込み機能に合ったとろみをつけると飲み込みがスムーズになります。適度なとろみ具合に個人差があるのでできれば専門家に相談を。



まとめ


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介護をしたことのある人は、食事中の窒息にひやっとしたり、意志疎通できず「一生懸命やっているのに...」と悲しくなったり、という経験があるかもしれませんが、起こる変化をあらかじめ知っておくと少しは納得のいくところもあるのではないでしょうか。

ただし、個人差が大きく「こうすればうまくいく」とはいかないのが介護。

安全な食事のアドバイスや環境づくりなど、おうちで介護する人の気持ちに安心感とゆとりを作ってくれる様々な専門家のサービスもあります。担当のケアマネジャーや都道府県の「栄養ケア・ステーション」にも相談してください。

全国の栄養ケア・ステーション

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