加工食品なしでは考えられない現代の食生活。「食品添加物」のことを何となく不安に思っている人も、食品添加物を正しく知ることによって、私たちの食生活を安全で豊かにしていることがわかります。
お話を伺ったのは…
中井義兼 さん 一般社団法人日本即席食品工業協会 事務局長
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食品添加物って危険なの?
「食品添加物が入っている加工食品はカラダによくない」と親からいわれたり、雑誌やインターネットで書かれていたりするのを見て、気になっていませんか? しかし、加工食品を利用せずに生活するのは現実的には難しいもの。食品添加物は本当に危険なものなのでしょうか?
そもそも食品添加物って何?
食品の最大のリスクは食中毒です。食品の腐敗や食中毒を防いだり、産地や地域に関係なく便利で豊かな食生活を享受するには、食品添加物が大きな役割を果たしています。
食べる量と安全性 リスクのものさしで考えよう
食の安全(リスク)を考えるとき、重要なのは、食品添加物が入っているかどうかではなく、どれだけの量を摂取したかということ。
食品添加物の安全性は、発がん性試験や遺伝毒性試験などの厳しい試験が行われたうえで評価されています。一生毎日食べ続けても健康に影響がない量のことを「一日摂取許容量(ADI)」といいます。これは、「動物を使った毒性試験において何ら有害な作用が認められなかった量(無毒性量)」の100分の1で、私たちが実際に摂取している食品添加物の量は、このADIよりもさらに少ない量なのです。
実際に摂取される食品添加物の量は、基準値よりもずっと低い値であることも確認されています。たとえば、安息香酸(保存料)の一人一日当たりの摂取量はADIの0・38%です。
安全で楽しい食生活を送ろう!
「食品添加物が入った食品より無添加食品のほうが安全だという考え方に、科学的な根拠は何もありません。毎日食べている米や野菜、果物にも天然の化学物質や微量の発がん性物質が含まれているものもあります。不確かな情報や、思い込みで製品を選ぶのではなく、本当に安全かどうか、科学に基づいた判断をして製品を選ぶ必要があります」と、中井さんは話します。
ここがすごい!食品添加物
食生活を支える食品添加物の役割
● 食品の形をつくる…豆腐用凝固剤、安定剤
● 食品に独特の食感をもたせる…ゲル化剤、かんすいなど
● 食品の味をよくする…甘味料、酸味料、苦味料など
● 食品の品質を保つ…保存料、酸化防止剤、防かび剤、日持向上剤、殺菌剤
● 食品の栄養成分を補う…強化剤のビタミン類、ミネラル
化学物質の量とカラダへの影響
人が一生にわたって毎日摂取し続けても、健康上の問題が生じないとされる量(ADI:一日摂取許容量)が決められていて、実際にとる量はそれより少ないのです。
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