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栄養の知識

心配しすぎは健康を害するおそれも。食物アレルギーの超基礎知識

心配しすぎは健康を害するおそれも。食物アレルギーの超基礎知識

佐藤 陽子

監修
佐藤 陽子
健康食品や食品成分に関する正しい情報発信に尽力
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    ニュータス編集部

2017年03月26日[2018年04月11日更新]

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子どもの食生活を考えたときに避けては通れない「アレルギー問題」。年々、新しいアレルギー食材や症状が報告されるなど、「うちの子は大丈夫かしら?」と心配するママ・パパは少なくないかもしれません。怖がる前に、まず正しい基本的な知識を身につけるところからはじめてみましょう。

そもそも食物アレルギーっていったい何?

日本で「食物アレルギー」という病状が一般的に理解されるようになったのは、ここ数十年のことと言われています。食物にからだの抗体が反応することによって、発疹などのさまざまな症状を引き起こしてしまう食物アレルギー。場合によっては、呼吸困難などの命にかかわる激しい症状も引き起こしてしまうこともあります。

しかし間違えやすいのですが、血液検査や皮膚テストなどで、ある食物にアレルギー陽性反応が見つかったからといって、「食物アレルギー」という診断になるわけではありません。あくまでもその食物を食べると「何らかの症状が出る」という事実があって、「食物アレルギー」という診断になります。

赤ちゃんの食物アレルギーってなにが多いの?

食物アレルギーは、1歳未満の乳児に特に多いといわれています。

0歳
n=1366
1, 2歳
n=1395
No.1 鶏卵
53.9%
鶏卵
40.2%
No.2 牛乳
27.3%
牛乳
24.4%
No.3 小麦
13.7%
小麦
10.3%
No.4 魚卵類
6.3%
No.5 落花生
5.4%
小計 94.9% 86.6%

年齢別原因食物(素集計)『平成27年度 消費者庁:食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書』より

平成27年度 消費者庁:
食物アレルギーに関連する食品表示に関する
調査研究事業報告書



食物アレルギーが気になるからって
自己流で食材を除かないで

赤ちゃんの食物アレルギーは、ママ・パパの心配の種でもあると思います。でもいくらアレルギーが気になるからと言って、自己流で食材を抜いたりしないでください。

食物アレルギーが怖いからといって過剰に食材を制限すると、かえって栄養のバランスが崩れ、赤ちゃんに必要な栄養素が不足してしまいがちです。

もし食物アレルギー反応があったとしても、過度にかまえないことが大切です。アレルギーといっても、ごく少量のここまでは大丈夫という安全域があり、除去のレベルには個人差があります

まずは、安全域を見極めるのがもっとも大事なこと。そして、その範囲内で食材をくりかえし食べることで、安全域を少しずつ広げていくことも可能と言われています。まずは医療機関に相談して、正確に把握しましょう。

base12_02.jpg

食物アレルギーは、
年齢とともになくなっていくことが多い

特に乳幼児期に見られる食物アレルギーですが、多くは年齢とともに症状が弱まり、患者の割合も、乳児で約10%、幼児で約5%、学童期以降で1.3~4.5%(『食物アレルギーの診療の手引き2014』より)と、次第に少なくなっていきます。特に、乳幼児期に多い鶏卵、乳製品、小麦などは3歳までに約50%が食べられるようになります。

これに対し、学童期以降に発症の多い落花生、甲殻類、そば、果物などは治りにくい(耐性を獲得しにくい)特徴があります。一度アレルギーを発症した食材だからといって、いつまでも取り除いたままにしておくのは間違いかも。子どもの成長に合わせて、定期的にアレルギーテストを受けてみるのもおすすめです。

妊娠中や授乳期のママの食事制限は意味がない!?

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離乳期や授乳期もですが、妊娠中から食物アレルギーを気にして食事を制限するのは、少し気にしすぎかもしれません。「妊娠中に母親が食物除去すると子どもが食物アレルギーになりにくい」「授乳中の母親が食物除去すると、乳児が食物アレルギーになりにくい」という説が書籍やインターネットでたびたび紹介されています。しかし、妊娠中の食物除去は子どものアレルギー予防に効果がなかったとする研究結果もあり、十分な根拠がないため、推奨されていません(『食物アレルギーの診療の手引き2014』より)。

妊娠中は、将来の子どもの食物アレルギーよりも、しっかり赤ちゃんとママのからだに栄養が行きわたるよう、バランスのよい食事をとること、体重をコントロールすることを優先しましょう。

まとめ

気になる食物アレルギーではありますが、原因や症状には個人差があり、最新の研究もどんどん進んでいるので、まずは医療機関での判断を仰ぐことが大切です。過度に気にしすぎて食事を制限することで、栄養バランスを崩してしまっては本末転倒です。またアレルギーを発症してしまっても代替食品の工夫はたくさんあります。その詳細は「食物アレルギーの代替食材はこんなにある!アイデアレシピを紹介」の記事にありますので、ぜひ読んでみてくださいね。

食物アレルギー(厚生労働省)

食品表示(消費者庁)

日本小児アレルギー学会

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