乳幼児期には、食物アレルギーが見られることが少なくありません。すでにアレルギーがある場合は、気をつけていないと思わぬところにアレルゲンとなる食品が使用されているということも。アレルギーの多い食品の注意と、代替の食品について考えてみましょう。
赤ちゃんに多い「鶏卵」アレルギーは加工食品に注意!
1歳以下の乳児・幼児の食物アレルギー原因として、いちばん多い食材が鶏卵です。クッキーやケーキ、プリンなどのお菓子の材料としてよく使われていますが、じつはベーコンやウィンナー、ちくわなどの加工食品にも多く含まれているので注意したいところです。鶏卵は加熱によりアレルゲンになりやすさが変わるので、生卵や半熟卵がダメでも、加熱卵は食べられる場合があります。食べられる範囲をお医者さんに確認しましょう。
鶏卵を食べられないと、どうしても食の選択肢が狭くなってしまいますが、最近ではかぼちゃと米粉を代用した「卵焼きもどき」など、レシピもたくさん紹介されているので、参考にしてみるのもいいかもしれません。また、鶏卵で補給したい栄養素はたんぱく質なので、肉類や豆腐、魚を上手に取り入れるといいですよ。
乳製品のアレルギーは、 しらすや青菜などでカルシウム補給を
乳も1歳以下の食物アレルギーランキングで2位に入るほど、原因としてよく知られた食材です。チーズ、ヨーグルトだけでなく、パン、ケーキ、ビスケット、クッキーのほか、粉乳を使った加工食品にも注意しましょう。
乳を含む食品も多岐に渡るので、アレルギーで食べられない子どもは「食の楽しみ」が失われがちです。しかし最近は、乳も卵も使わないパンやケーキ、ビスケットなども登場しているので、うまく代替すればほかの子どもと変わらない食生活を楽しむことも可能です。ただし、代替食材ではカルシウムが不足してしまいがちなので、しらす干し、青菜など、他の食材もうまく活用してくださいね。
小麦はいろんな食品に使われている
パンや麺のもとになる炭水化物の代表・小麦も、食物アレルギーの原因として認知度の高い食材で、鶏卵、牛乳とともに「3大アレルゲン」の1つと言われています。
小麦が含まれている加工食品には、餃子の皮、カレールウ、お菓子類、麩、調味料(味噌、しょうゆ、酢、みりん)などがありますが、しょうゆにはアレルゲンとなる小麦のたんぱく質「グルテン」が残存しないため、除去する必要はないとされています。
小麦はいろいろな食品に使われているため、食べられないと、一人だけ家族や周りの子達と見た目が大きく違うものを食べなきゃいけないことが多くなってしまいます。最近は代替食材として「米粉」を使った食品もメジャーになりつつありますので、うまく取り入れながら、なるべく同じようなものを作ってあげましょう。
大豆や魚類の食物アレルギーの注意点
豆類のなかでも、大豆は食物アレルギーになりやすい食材。ただ、大豆にアレルギーがあっても、味噌やしょうゆなどの加工食品であれば食べられる場合も。また、大豆以外の豆類で代替できることもあります。
魚についてはさまざまな種類があるため、すべてでアレルギーになるとはかぎりません。もし魚の食物アレルギーが見つかった場合は、個別に医師に相談することが大切です。魚を取り除く場合はビタミンDが不足しやすいので、きのこや卵黄などで代用しましょう。
基本的にはパッケージに記載されているものを参考に
食品のアレルギーのなかでも、患者数と重篤度を考慮して、「卵、乳、小麦、落花生、えび、かに、そば」の7品目については、2013年より食品ラベルに表示することが義務づけられました。「この食品は大丈夫?」と思ったら、まずは表示を確認してみましょう。
たとえば、米粉をつかったパンの場合、ラベルの名称は「米粉パン」となっていますが、原材料名をよく見ると、米粉のほかに「グルテン(小麦を含む)」と書かれている場合があります。これはパンをふっくらとさせるため、小麦に含まれるたんぱく質・グルテンを使用しているという意味なので、小麦アレルギーのお子さんがいる場合は要注意です。その場合はグルテンが含まれていない米粉パンを探すようにしましょう。
その他の品目のアレルギー表示については奨励されているだけで、表示は任意です。表記されていないことも多いので、気になる場合は、直接問い合わせてみると確実です。
米粉製品による小麦アレルギーに 気を付けましょう!!
食物アレルギーでもおいしく食べられる、 子どもの人気メニューレシピをご紹介!
食物アレルギーのお子さんは、食べられる食材が限られてしまうことで、家族やお友だちと同じような食事を楽しむことができなくなってしまいます。特に子どもたちが大好きなハンバーグやスパゲティのようなメニューが食べられないというのは、栄養面の問題だけでなく、食を楽しむという意味でも、精神的な面でも辛いことも多いでしょう。ここでは、そんなお子さんでも楽しむことができるアイデアレシピをご紹介いたします。
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食物アレルギー情報サイト 食物アレルギーねっと(日本ハム)
NPOアレルギー支援ネットワーク
まとめ
食物アレルギーはただ避けるだけではなく、代替食品を工夫して前向きに楽しんだり、足りない栄養素を補ったりと、上手に向き合うことが大切です。最近はアレルギー対応のレシピもたくさん登場しているので、いろいろアレンジして楽しんでみるのもおすすめですよ。
食物アレルギー(厚生労働省)
食品表示(消費者庁)
日本小児アレルギー学会
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