栄養素が活躍する舞台は、私たちの体の中なので、実際にどんな働きをしているのかは、残念ながら見られません。 不要の栄養成分と考えられてきた食物繊維近年、その機能が注目されている食物繊維は、かつては"不要な成分"だといわれていました。 人体では消化・吸収されない炭水化物なので、エネルギー源にはならないし、栄養素としての役割も期待できないと考えられてきたのです。 しかし、半世紀ほど前からさまざまな研究が行われ、食物繊維の栄養機能が明らかになってきました。 便秘の予防や解消、血糖値の上昇をおだやかにする、コレステロールの吸収を妨げ排泄を促す・・・などなどです。 厚生労働省が5年毎に改訂している「日本人の食事摂取基準2015」では、それ以前にはなかった、6~17歳における目標量が、新たに設定されました。 健康長寿には、小さい頃から、食物繊維(や、もちろん他の栄養素も)を適切にとることが大切だということです。 脂質が多く・食物繊維が少ない傾向にある、いわゆる欧米型の食事は、ある種の生活習慣病のリスクを増やすと考えられています。 そのため、日本だけではなく世界各国で、食物繊維の働きに注目した研究が行われています。 ヒトが対象の研究か?どのくらい食べさせた研究か?最近、海外で行った実験で「食物繊維は腸内細菌のエサになり、腸内の環境を改善しダイエット効果をもたらす」という研究が発表されました。 食物繊維の新たな機能だといえます。
新しい栄養効果を伝える記事を目にした時の、チェックポイントを2つ紹介します。 ひとつ目は研究対象が「ヒト」であるかどうかです。
ふたつ目が「量」です。 この実験でマウスが摂取した食物繊維の「量」は、エサの20%もありました。 動物実験はメカニズムを知るきっかけにはなりますが、それをヒトに当てはめるわけにはいきません。 まとめ食品は薬ではないので即効性はありません。 |