身体を守るための免疫機能が、敵ではない食品に過剰に反応して、じんましんやかゆみなどの症状が現れるのが食物アレルギーです。
赤ちゃんのアレルギーはそれほど珍しいものではなく、全アレルギー患者のうち、約1割が0~1歳の赤ちゃんです。
では、食物アレルギーが発症した場合に、どのような対応をすればいいのでしょうか。
今回は食物アレルギーの赤ちゃんの離乳食について理解を深めていきましょう。
ただし、実行する前には、必ず専門医の指導を受けてください。
原因食物として多いのは?
0~1歳児の原因食物として多いものは、圧倒的に卵と牛乳と小麦の3つです。
食物アレルギーはこれらの食物のたんぱく質が原因となりますが、 たんぱく質は体づくりのもととなったり、免疫にも関わる重要な栄養素なので、食品をすべて避けるわけにはいきません。
「代わりになる物(代替食品という)」を見つけて、カバーするようにします。
代替食品(代わりになる食べ物)の実例
- 卵がダメでも・・・
たんぱく質が豊富な魚や肉や乳製品や大豆などで補うことができます。 また牛乳や魚なら、卵黄に多く含まれる鉄やビタミンDも補うことができます。
- 牛乳がダメでも・・・
牛乳は良質のたんぱく質源である以外に日本人の不足しがちなカルシウム源でもあります。
カルシウムは、大豆製品や小魚や青菜や海藻などにも豊富に含まれているので、これらで補いましょう。
また、アレルギー用ミルクというのも開発されていますので、医師と相談の上で試してみるのもいいでしょう。
- 小麦がダメでも・・・
同じ糖質食品でも、アレルギーの原因にはなりにくいお米で補うことができます。離乳食としてもパンがゆではなく、お米のおかゆを中心にメニューを考えましょう。
加工食品を購入するときは原材料表示をチェック!
お母さんが作る離乳食は、使った材料を自分でチェックすることができます。 加工食品の離乳食を利用するときには、「原材料表示」をチェックすることが鉄則です。
ただし、「卵」「乳」「麦」の文字が見えても、「鶏卵焼成、未焼成卵殻カルシウム」「乳酸菌、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳化剤」「麦芽糖」などは原因たんぱく質を含んではいませんので除去する必要はありません。 ※これらに関しては、念のために、専門医や管理栄養士に確認してください。
周囲のみんなで情報を共有し、赤ちゃんを見守りましょう
家族や周囲の人たちと、赤ちゃんのアレルギーの状態を共有しておきましょう。
- 調味料の成分の確認する。
- ふだん食べている加工品でも材料や容量が変わることがあるので、使うたびにチェックする。
- アレルギーが重症な場合は、調理器具や食器もきちんと使い分ける。
- 子どもが複数いて、そのうちの1人だけがアレルギーの場合には、食事が混ざってしまいがちなので、特に注意が必要。
まとめ
友だち付き合いや食の楽しみが減らないように赤ちゃんのアレルギーは、重症でない限り、適切に対応すれば改善されるケースが多いのです。
不安になる気持ちは理解できますが、過剰に反応しすぎないで、注意深く離乳食を進めていきましょう。
たとえ、食べてはダメなものがあっても、そんなに悲観的になることはありません。代わりの食品でごはんを作ることで、赤ちゃんの健康に必要な栄養素をとることができます。
また徐々にならしていくことで、食べられる食品も増える可能性もあります。
ただし、これらはすべて専門家と相談しながら進めてください。 日本アレルギー学会が認定した専門医は、下記で、地域別に検索することができます。
日本アレルギー学会専門医・指導医一覧
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