高齢になると、1日3食をきちんと食べていても、食材の選び方や食べる時間帯などによって、消化・吸収が衰えることがあります。 体重を定期的に測り、記録しましょう健康管理の第一歩は体重管理であり、その基本は体重測定です。 体重の基本になるのはBMI【※1】です。 若い人の適正BMIは22といわれていますが、高齢者では「小太り程度」といわれる23~25くらいのほうが健康で長生きするといわれるようになりました。 BMIが25を超えると「肥満」と判定され、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)のリスクが増えます。 逆にBMIが18.5未満は「低体重」と判定され、貧血や転倒時の骨折などのリスクが高くなります。とりわけ、半年の間に体重が3%以上減った場合は、何らかの病気の疑いがあります。 体重が減ってきたことに気がついたら、健康診断などの血液検査の「アルブミン」という項目を見てください。 アルブミンはたんぱく質の一種で、血液中の値からその人の栄養状態を推測することができます。 肝臓や腎臓の働きが悪くなるとその数値が低くなり、3.8(g/dl)以下の場合は注意が必要です。
例)体重が47kgで身長が160cm(1.6m)の人のBMI 介護保険のサービス内容を早めに調べておきましょう市町村によっては役所で(大きなドラッグストアでも)「体成分分析」サービスをしているところもあります。 これを利用すると、一目で健康状態がわかります。 水分量・たんぱく質量・ミネラル量・体脂肪量・体重・筋肉量(上半身均衡・下半身均衡・左右均衡の部位別)などが測定できます。 定期的に(できれば1か月に1度)測定して、結果を管理すると安心です。 また、平成12年より介護保険制度が導入されました。 介護認定されると、訪問介護やデイケアやリハビリなどのサービスを受けられます。その1つに、平成17年から施行されるようになった「栄養改善サービス」があります。 「要支援1」「要支援2」と認定された人が、「介護」を必要とするようにならないための、栄養改善サービス(下記)です。 「栄養改善サービス」を利用する方法を知っておきましょう次のような状態の人は、「地域包括支援センター」で、栄養状態の改善のための相談や管理サービスを個別に受けられます。 1.過去6か月の間に3%以上(2~3Kg)の体重が減った。 2.食事の量が4分の3以下に減ってしまった。 3.血液中のアルブミン値が3.5(g/dl)以下になった。 4.BMIが18.5未満。 この中で多いのは、3(低アルブミン)と4(低BMI)の該当者で、86%を占めています。 その他、口腔内のトラブル、体力が低下して普段の生活機能に衰えが目立つ、床ずれができた、鬱症状が見られる、などの場合も、栄養改善サービルの対象となります。 「食べる楽しさや意欲」をいつもでも大切に!栄養改善サービスは、管理栄養士を中心に介護スタッフや看護職員が作る「栄養ケア計画」に沿って行なわれます。 栄養改善サービスの利用後は、3か月ごとに栄養状態をチェックします。 「私はまだまだ介護なんて関係ない」と思っていても、風邪が長引いて食欲が落ちたり、転倒による怪我で運動不足になったりして、思いもかけず、支援が必要になるかもしれません。 まとめ明日のことは誰もわからないのです。 |