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生駒芳子と長谷川理恵が教える「食がつくる日本のキレイ」

生駒芳子と長谷川理恵が教える「食がつくる日本のキレイ」

赤枝 いつみ

監修
赤枝 いつみ
公衆衛生分野での職務経験豊富な管理栄養士
  • 撮影
    田中一人
  • テキスト
    タナカヒロシ
  • 撮影
    田中一人

2017年10月10日[2018年09月03日更新]

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湯豆腐やお菓子しか食べない自己流ダイエットの先に待っていたのは......

そして、生駒さんが話す健康美を体現しているのが、続いて登場したファッションモデルの長谷川理恵さん。しかし、長谷川さんも最初から現在のような健康美を持っていたわけではなく、生駒さんを聞き手に行なわれたトークでは、次々と意外な事実が飛び出します。

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長谷川理恵

モデルをはじめる前は、いまよりも20kgも太っていたという長谷川さんは、あるファッション誌の編集長からの「やせたらいけるかもしれない」という言葉を真に受け、湯豆腐しか食べないという自己流のダイエットを実践。その結果、モデルとしては着実にステップアップしたものの、冒頭に紹介した発言「いちおう見かけはやせていたんですけども、からだの状態は最悪で。寒い、疲れる、肩こりになる。もう冷えて冷えて......」という状態に。

それでも、誌面に載った自分を見て、「ほかのモデルさんと比べたら、私は太っている」と感じたらしく、無理なダイエットはエスカレート。撮影の合間にお菓子だけをつまむような食生活に陥り、当時は常に「食べるのが怖い」というほど苦しんでいたそうです。

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ダイエットのルールに縛られるとストレスに。からだが欲している栄養をとるのが大事

転機になったのは、2000年にテレビ番組の企画でフルマラソンに挑戦したこと。はじめは「ハワイに連れてってもらえる」という軽い気持ちでオファーを受けたそうですが、トレーニング中に女子マラソン選手の谷川真理さんと知り合ったことで、適切な食生活を取り戻します。谷川さんからは「食べることもトレーニング」と言われ、日々の食事をノートに記録。続けるうちに、からだが必要な食材を欲するようになってきたと言います。それを象徴するのが、こんなエピソードでした。

長谷川:ある朝に10km走っていたんですけど、木がブロッコリーに見えてきたんですね。それで走り終わってすぐ、ブロッコリーを買いに行ったんです。とりあえず茹でて、ちょっとつまんだら、あまりに甘くて、おいしくて、そのまま一房食べちゃったんですね。そのとき本当に栄養が不足していたんだなって気づいたんです。

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いまでは、からだが欲しているものが自然とわかってくるようになったという長谷川さん。大切にしているのは「食べたいものを食べる」ことで、たとえば八百屋に行ってトマトが目に飛び込んできたらトマトを食べる。「今日はサラダを食べなきゃいけない」「糖質はカットしなきゃいけない」といったルールに縛られてしまうと、むしろストレスが溜まってしまうため、常にからだと対話をしながら、食事の内容や運動量を決めているそうです。

食べることを怖がらないで。栄養不足では「美しく」なれない

実体験をふんだんに交え、「食から未来の"キレイ"をつくる」というテーマを語り合った生駒さんと長谷川さん。トークの舞台から戻ってきた二人に、ニュータスの読者に向けて特別なメッセージをいただきました。

----実際、モデルにとってどれくらい体型は大事なものなんですか?

長谷川:私がファッション誌専属モデルをやっていた頃は、体型はいちばん大事でした。いかに自分を出さないで、ファッションをきれいに見せるか。モデルが誰というよりも、マネキンのような感覚ですね。ただ、これからは見た目だけでなく生き方が大事だと思うんです。ある程度キャリアを重ねたモデルさんも増えてますし、そういう人たちがファッションだけじゃない部分も発信していく時代になってきていると感じます。

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生駒:たとえばモデルのクリスティー・ターリントンさんはヨガに傾倒されていることで有名ですし、ナオミ・キャンベルさんは女性の生き方を開拓するような存在になられているんです。理恵さんもファッショアイコンから、健康的に生きたい女性のお手本になってらっしゃるので、そういう意味ではモデルの意義が変わりつつある。ただ服を着るモデルの時代は終わって、どういう生き方をするのかまでを提示する存在になられているなって。理恵さんはそのトップランナーですよね。

----それでもやせたいと思う若い女性は多いと思いますが、一言いただけますか?

長谷川:私も通りましたし、誰もが通る道なんですよね(笑)。もちろん美しいからだは理想ですけど、やはり中身が大事です。私がやっていたように湯豆腐やお菓子だけ食べるとか、それは本当にオススメできないです。たとえやせても、髪はボロボロ、爪もボロボロ、顔色も悪く、茶色くて、艶もなくなって、全然きれいじゃないし、お化粧で隠そうとしても隠れない。それは「美しさ」ではないと思うんですね。

生駒:ファッションに自分を合わせようとすると、ダイエットしなきゃと思うようになってしまうので、ファッションを自分に合わせるくらいの意識が大事だと思うんです。そのときの自分がいちばんかっこよく見えるファッションなら、工夫次第でいくらでもできますから。ファッションに振り回されるのではなく、理恵さんのように食事や運動で健康的にきれいになることにエネルギーを注いでほしいです。

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長谷川:あと、食べることを怖がらないでほしいですね。当時の私は肉を食べるのが怖かったんですけど、食べたほうが健康的にやせたんです。もちろん肉だけを食べすぎるのはダメですけどね。

----先ほども木がブロッコリーに見えたという話がありましたが、からだが欲しているものに逆らわないことが大事?

長谷川:そうなんです。からだに足りないものは、頭がおいしく感じるようになっていると思うんですよね。

生駒:人の顔がりんごに見えたら、りんごを食べたほうがいい。

長谷川:そうそう(笑)。カリウムが足りないんだと思います。本当に困っている方は、ぜひ管理栄養士・栄養士さんに相談してみるのも手ですね。

ファッション界の第一人者である二人の言葉からは、本当の美しさを得るためには、いかに食に対して正しくアプローチすることが大切かが見えてくるのではないでしょうか。このあと行われた参加者同士のディスカッションで、生駒さんが「健康的なからだがファッションの最大のアクセサリー」と発言していたことも、重要なキーワードだったように感じます。「美しさ」とは何か、あらためて考えさせられる貴重な機会となりました。

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