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栄養の知識

大人の健康診断を甘く見ないで。結果から学ぶ自分のベストな状態

大人の健康診断を甘く見ないで。結果から学ぶ自分のベストな状態

三好 美紀

監修
三好 美紀
専門は国際栄養学、公衆栄養学。食育研究にも関わってきました。
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    ニュータス編集部

2017年05月01日[2018年04月11日更新]

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「私はからだが強いので大丈夫」「大きな病気もしたことがないし」という思い込みをしていませんか? 自分では健康だと思っていても、悪しき生活習慣が何年も積もり重なって病気になりかけていた、なんていうことは全然珍しくありません。特に仕事や家庭で忙しく、ふだんあまり健康的な生活に気をつけていないという方は要注意。そんなとき定期的に健康診断を受けることが、生活習慣病の早期発見につながります。ここでは診断結果の見方、活用法を確認してみましょう。

定期的な健康診断が、生活を見直すきっかけになる

定期的な健康診断、ちゃんと受けていますか? 共働きで仕事も家庭も忙しいという方、転勤や出張に慢性的な超過勤務など仕事が忙しく変化が激しいという方、子育てや介護に追われているという方も、ぜひ健康診断は定期的に受けていただきたいもの。健康診断の結果は、疲労の蓄積、低栄養、貧血などを客観的に数値で評価してくれます。問題が深刻になる前に、食生活を含めた生活全般の見直しに役立てることができるのです。

健康診断にはどんなものがあるの?

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健康診断といえば、尿や血液などいくつかの全体的な検査を行う一般検診がよく知られているかもしれません。こうした一般検診のほかにも、病気の早期発見につながる付加健診、乳がん・子宮頸がん検診、肺炎ウイルス検査。さらに、生活習慣の改善を目的に保健指導を加えた特定健康診査などがあります。

  1. 特定健康診査及び特定保健指導の実施に関する基準に基づく特定健康診査
  2. 労働安全衛生法に基づく定期健康診断
  3. 母子保健法に基づく妊婦健診
  4. がん検診推進事業に基づく無料のがん検診
  5. その他 雇入時の健診、海外派遣時および帰国時の健診、人間ドックなど

健康診断でよく見られる診断項目と正常値は以下のとおりになります。

身体計測

身長と体重をもとに肥満度を示す指数であるBMI(体重(kg) / 身長(m)2)を計算します。正常値は18.5〜24.9の間。18.4以下は低体重、25.0以上は肥満で、いずれも要注意になります。

血圧

心臓が拡張したり収縮したりするときの血管の壁にかかる圧力の検査です。正常値は収縮期で129以下、拡張期で84以下になります。

脂質系検査(血液検査)

血中に含まれるさまざまなコレステロールの数値を計測します。コレステロールはよく悪者のように紹介されますが、からだに必要なもので、正常な数値であればまったく問題ありません。HDLコレステロール(正常値:40~119)の数値が低かったり、LDLコレステロール(正常値:60~119)の数値が高かったりすると動脈硬化などの可能性があります。また、中性脂肪(正常値:30~149)も、数値が高いと動脈硬化、低いと低栄養の疑いがあるので、きちんと見ておく必要があります。

糖代謝系検査(血液検査)

空腹時血糖値(正常値:100~125)の検査です。数値が高いと糖尿病やホルモン異常が疑われます。また、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー、正常値:5.5%以下)の数値により、過去1~2か月の血糖値の平均がわかります。空腹時血糖値が126以上かつHbA1cが6.5%以上なら糖尿病と判断されます。

血球系検査(血液検査)

赤血球(正常値:男性400~539、女性360~489)が少ないと貧血の可能性があり、白血球(正常値:3.2~8.5)が少ないとウイルス感染症などの疑いがあります。さらに血小板数(正常値:13.0~34.9)が多いと鉄欠乏性貧血などの可能性が疑われるので、毎回の検査ごとに数値の動きをチェックするようにしましょう。

腎臓系検査(血液検査)

クレアチニン(正常値:男性1.00以下、女性0.70以下)は腎臓でろ過されて尿中に排泄されるアミノ酸の一種で、その数値が高いと、腎臓の機能が低下している疑いがあります。尿酸(正常値:2.1〜7.0)が高い状態が続くと、痛風や尿路結石を引き起こしやすくなるため意識して数値をチェックするようにしましょう。

尿検査

尿たんぱく(正常値:陰性)が陽性の場合は腎機能が低下している疑いがあります。また、糖尿病の人の場合、尿糖(正常値:陰性)が陽性になります。もしこれまで糖尿病と診断されたことはないのに陽性が出た場合は、手遅れになる前に再検査を急いだほうがいいかもしれません。

どんな検診があるの?(全国健康保険協会)

定期健康診断等の項目の改正(厚生労働省)

人間ドックの検査項目(日本人間ドック学会)

怖い病気を招く危険がある
メタボリックシンドロームの検査

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健康診断では、メタボリックシンドロームの検査を受けることも可能です。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪がたまって内臓肥満になり、高血圧・高血糖、脂質代謝異常が組み合わさって心臓病や動脈硬化などの生活習慣病になりやすい状態のことです。

必須条件である内臓脂肪の蓄積に加えて、血清脂質・血圧・血糖のうち2つ以上が基準値を超えていると、メタボリックシンドロームと診断されます。

メタボリックシンドロームの診断基準

必須条件

ウエスト周囲経

(内臓脂肪蓄積)

男性 85cm以上

女性 90cm以上

選択条件

(3項目のうち

2項目以上)

1.高トリグリセリド血症

かつ / または

低HDLコレステロール血症

(血清脂質)

150mg/dL以上

40mg/dL以下

2.収縮期(最大)血圧

かつ / または

拡張期(最小)血圧

(血圧)

130mmHg以上

85mmHg以上

3.空腹時高血糖

(血糖)
110mg/dL以上

出典:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-01-003.html

メタボリックシンドロームの検査では、立位、軽呼気時など、さまざまな状態でウエスト周りを測るほか、CTスキャンで内臓脂肪量測定検査を行うこともあります。中年期に差し掛かった男性など、少しでも気になる人は積極的に検査を受けてみることをおすすめします。

メタボリックシンドロームとは?(厚生労働省)

メタボリックシンドロームの危険性(厚生労働省)

特定健診・特定保健指導(厚生労働省)

メタボリックシンドロームの
検査と自己チェック
(一般社団法人日本生活病予防協会)

まとめ

定期的な健康診断は、生活習慣を客観的に評価してくれる強い味方です。しかし、健康診断を受けたからといって、その結果から何も得なければ意味がありません。忙しい毎日のなかでも、健康診断の結果をもとに食事や生活習慣全般を見直すことを意識してみましょう。

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