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見た目も華やかで栄養バランスのとれたレシピをSNSやブログで紹介し、Instagramフォロワー数3万人を超える人気を誇る菱沼未央さん。現在は、フリーランスの管理栄養士として、さまざまな媒体でのレシピ作成やフードコーディネート、食にまつわるコラムの執筆、食器の企画など、幅広いジャンルで活躍されています。NU+では、そんな菱沼未央さんの見ても食べてもおいしいレシピを連載形式でお届けします。
今回は、菱沼未央さんがインタビュー記事「SNSフォロワー3万人。菱沼未央の心もからだも豊かにする料理」でお話してくれた、茹で鶏の大好きな旦那さんの健康を考えてつくられたレシピを教えてもらいました! 仕事が忙しい旦那さんにオススメのレシピです。
お野菜たっぷり。満足感も得られる「エスニック茹で鶏」のつくり方
こんにちは、菱沼未央です。今回は、茹で鶏の大好きな夫と一緒に食べたいレシピを考えました。最近、私たち夫婦はタイ料理にどっぷりハマっているため、エスニックな茹で鶏に。普段外食が多く、食事の時間が不規則な夫の身体を考え、お野菜たっぷり、満足感があって栄養バランスも考慮したレシピをつくりました。

材料(2人分)
・鶏もも肉:1枚 ・塩こうじ:大さじ1 ・もやし:1/2袋 ・にんじん(細切り):1/3本 ・ キャベツ(短冊切り):2枚
つくり方
1. 鶏肉は余分な皮や、黄色い脂肪の部分を取り除く。白いすじや軟骨も包丁の刃先で切り取り、身側に数本浅く切り込みを入れる。野菜はさっと茹で、ザルにあげる。
2. ボウルに1の鶏肉と塩こうじを入れ軽くもみ、ラップをして1時間以上おく(1日漬け込むとさらに柔らかくなり、均等に味が入る)。
3. 鍋に2と【A】を入れて水をひたひたまで加え、強火で加熱する。
4. 沸騰したらあくを取り、蓋をして弱火で8分。火を止めて20分放置する。
5. しょうがダレをつくる。フライパンにサラダ油としょうがのみじん切りを入れ、中火で香りが出るまで炒め、ナンプラーとはちみつを加え全体がなじむよう混ぜる。茹で汁を加え、全体がふつふつしてきたらしょうがのすりおろしを加え、ひと混ぜしたら火を止める。
6. 茹でた野菜を皿に敷き、1.5 cm厚にスライスした鶏肉を盛りつける。お好みでパクチーや生唐辛子、レモン、ピーナッツを添え、しょうがダレをかけていただく。
ポイント
- 夫は大のごはん好き! エスニック茹で鶏と一緒に、大盛り白米をいただきます。ごはん300g、上記レシピを約半量摂取で、861kcal。食塩相当量0.8gで、エネルギー産生栄養素バランスは、たんぱく質が14%、脂質が25%、炭水化物が59%です。
※ エネルギー産生栄養素バランスとは? たんぱく質、脂質、炭水化物(アルコールを含む)とそれらの構成成分が総エネルギー摂取量に締めるべき割合のこと。たんぱく質は13〜20%、脂質は20〜30%、炭水化物は50〜65%のバランスがふさわしい。(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)
- 鶏もも肉で良質なたんぱく質を補給。鶏肉などの肉類は、神経伝達物質(脳と神経細胞間の信号を伝達する役割を持ち、バランスが崩れると精神状況にも影響する)のうち、精神を高揚させて、活力を生み出す作用を持つ物質に働きかけるフェニルアラニンが豊富なので、ストレス軽減も期待できます※1。脂質が気になる場合は皮を除く、むね肉に置き換えることで脂質量を減らすことができます。
※1:鶏肉などの肉類は神経機能への作用が期待されていますが、ヒトでの有効性については信頼できる十分なデータは現在見当たらないと言われています。
- ビタミンC、K、葉酸、抗潰瘍作用のあるビタミンUの豊富なキャベツを添え、仕事のストレスが溜まると胃が弱りがちな夫をこっそりサポート!
- にんじんに含まれている栄養素、β-カロテンは皮の下に最も多く含まれているため、無農薬のものを選んで皮ごと使用。抗酸化作用(身体を錆びさせてしまう「酸化」を抑える作用)が期待できます。また、同じくにんじんに含まれているカロテンは、すい臓がんや肺がんなど喫煙に関するがんを抑制するとの研究結果もあるため、元喫煙者の夫にはこっそり多めに使用しています。
- 食べるのが大好きな夫の体重増加防止策に、低カロリーでヘルシーなもやしをプラスしてボリュームアップ! 食欲の我慢はさせたくありません。
- ビタミン類の損失を最小限に抑えるため、野菜は短時間でさっと茹でました。
- 鉄分がやや足りない献立だったので、ビタミンCの豊富なレモンをプラスすることでほかの食材に含まれている鉄分の吸収率をアップ! レモンの爽やかさで食欲増進、ビタミンCとクエン酸の効果で疲労回復や免疫力の増強も望めます。
- パクチーの香り成分には整腸作用や食欲増進作用、抗ストレス作用が期待できるのでたっぷり使いました。
- 唐辛子に含まれるカプサイシンには食欲増進効果とともに、脂肪燃焼効果が期待できるので、たっぷり添えました。辛いものが大好きな夫の食事誘発性熱産生(栄養素の分解時に発生するエネルギー消費)をこっそりアップさせましょう!
一手間加えたアレンジレシピ、「エスニック茹で鶏&カオマンガイ」のつくり方
翌日、1枚残った茹で鶏を「カオマンガイ」に。鶏の茹で汁でご飯を炊くので旨味たっぷり。食材を余すところなくおいしくいただきます。
夫の健康を考えて、ミネラル豊富な赤米を大さじ1加えた米を使い、生野菜もたっぷり添えました。赤米はデンプンを構成するアミロースという成分が多くパサつきやすいのですが、それが功を奏してタイ米の雰囲気に近づきました。余ったしょうがダレに辛みをプラスして、食欲&食事誘発性熱産生アップ! おいしく食べて健康になれたら、こんなにうれしいことはありませんね。

材料(2人分)
・茹で鶏:1枚 ・米:2合
- A
・赤米:大さじ1 ・茹で汁:360 cc ・オイスターソース:小さじ1/2 ・ナンプラー:小さじ1/2
- つけ合わせ / トッピング
・きゅうり:適量 ・ミニトマト:適量 ・パクチー:適宜 ・レモン:適宜 ・フライドオニオン:適宜
- ソース ※お好みの味になるよう、適宜混ぜ合わせる
・しょうがダレ:適量 ・ホットチリソース / スイートチリソース:適量 ・生唐辛子(粗刻み):適量
つくり方
1. 米は炊く30分前に洗い、ざるにあげて水気を切る。
2. フライパンに茹で汁に浮いた脂(分量外)を入れ、弱火で溶かす。米を加え、全体に脂がなじみ、米がやや透明になるまで中火で炒める。
3. 土鍋に米と【A】を加え炊飯する。蒸らしの前に茹で鶏をごはんの上に置き、ふっくら温める。
4. 蒸らしが完了したら茹で鶏を取り出し、ごはんをしゃもじでほぐして皿に盛る。
5. 茹で鶏は1.5 cmの厚さにスライスし、つけ合わせとともにバランスよく盛りつける。
ポイント
・土鍋で炊くとおこげができておすすめですが、炊飯器で炊いてもOKです。
・茹で鶏は冷蔵庫で3日ほど持ちます。家族が忘れたころに調理して食卓に出せば、茹で鶏の余りだとはばれないかも......?
・余った茹で汁はスープに使用。今回はトムヤンクンにし、きのこ類や野菜をたっぷり使用しました。
日々のごはんは人のからだをつくるもの。「おいしく食べて健康に!」をテーマに、これからもレシピ作成を行いたいです。
菱沼未央さんのインタビューはこちら!
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